任意整理による借金返済

2008年の倒産件数は5年ぶりに1万5000件を超えたそうですね。
一方、2008年秋からの経済不況のどん底はやっと脱出したとも言われていますが、いま一歩実感が湧かないという人が多いのではないでしょうか。

会社の倒産、事業の失敗などで、多額の借金を抱えてしまった場合、借金を整理して、新たなスタートを切ることができます。
その方法として、「任意整理」「自己破産」「民事再生」があります。

ここでは、「任意整理による借金返済」についてご説明します。

自己破産、民事再生に比べて聞き慣れない言葉かと思いますが、これは、裁判所などの公的機関を利用することをせずに、司法書士、弁護士が債権者と連絡をとって、借金の減額や将来利息のカットおよび返済方法などについて交渉して和解を進めていく手続きのことを言います。現在の債務整理の主流といえる手続きです。

将来利息のカットとは、消費者金融からの借入(通常、利息制限法所定の利率を上回る利率が設定されている場合が多い)について、債権者と交渉し、いままでの取引分全額について、利息制限法所定の利率で計算をし直し、それで算出された金額を払うことにするということです。

借りている期間によっては、過払いになっているので、借金が減るだけでなく、逆に債権者から返済をしてもらえるケースもあるそうです。

かんたんに手続きの流れを見てみましょう。
任意整理の専門家
◆債務により支払ができなくなる

◆任意整理を司法書士、弁護士に依頼する
(依頼した時点で、債権者への返済をストップする)

◆司法書士、弁護士が債権者と交渉
(借金の減額、将来利息のカットなど)

◆返済額が決定、返済を開始

◆借金、完済!

となります。

自己破産、民事再生とは違い、裁判所に行くために会社を休む必要もなく、知られたくなければ、家族にも秘密にしておけますので、一番負担のない借金整理方法だと言ってもいいでしょう。ただし、この後数年は、クレジットカードやローンは使用できなくなります。

民事再生法による借金返済

ここでは、「民事再生による借金返済」について見ていきましょう。

民事再生法は、平成13(2001)年に一部改正され、それまで法人のみ対象だった再生手続きを、多額の借金を抱えて苦しんでいる個人の生活の再建をはかるために施行されたのです。

では、民事再生による借金返済のメリットとは何でしょうか。

借金返済後
第一のメリットは、借金の一部を原則3年(最長5年)の分割返済にすることで、残りの借金を免除してもらえるという点です。

第二は、破産者になることを免れることができる点です。条件としては、将来の収入の一部を弁済にあてることが引き換えになります。

第三は、住宅を手放さないで済むということです。住む場所を確保しておけるというのはとても大きいメリットです。住宅ローンの返済方法を変更する再生計画案が認可されることが条件になります。

ただし、メリットが大きい半面、この法律が適用されるための要件は少し厳しいのです。

近い将来に支払い不能になるおそれがあるというのは当然の要件ですが、将来において収入が全く見込めない場合は、この法律は適用されません。また、債務の総額が5000万円以下(住宅ローンは除きます)という制限もあるのです。

弁護士に相談した後は、債権者への支払いが停止され、給料等の差し押さえも禁止されます。

再生計画案を作成したあとは、小規模個人再生手続の場合、個人債務の一部を、原則3年(最長5年)の間の収入によって返済します。残りの借金は免除してもらいます。給与所得者等再生手続の場合は、原則として可処分所得2年分を、原則3年間(最長5年間)で支払います。残りの借金は免除してもらいます。

つまり、民事再生手続は、最低限の生活をしつつ、どれだけの借金を返済できるのかという観点に基づいて、返済額を決定する制度なのです。

再生計画が進んでいる最中に、やむを得ない事情で返済が難しくなった場合、裁判所に返済計画の変更を認めてもらうということもできるのです。この方法では、必要用件が厳しい点、返済期間が基本的に3年間なので、返済額が高くなる可能性もあるというデメリットがあるという点を念頭に置いておきましょう。